植物を味方にすれば勝ち

前回の植物の話に、ちょっと補足します。
だいぶ前になったので、きっともうお忘れかもしれませんが。

植物は地球の覇者です。
その植物を味方にすれば、成功法はより強力になるという話です。
植物を味方にしない手はありません。

地球は植物が作った温室

地球上の動物は、植物と手を組めば繁栄し、植物と敵対すれば滅びるといって
いいでしょう。動物は動けるとはいえ、植物が作った温室の中でしか生きられ
ない、か弱い葦にすぎません。
というのは、何よりも植物は、動物が必要とする酸素を大量に生産して、原始
地球の大気を改変したからです。その酸素によって、あらゆる動物は生きてい
ます。酸素はわれわれ動物の電源なのです。

呼吸だけではありません。酸素はオゾンを作ります。そのオゾンが上空に層を
作ることで、紫外線の地上への侵入を食い止めています。紫外線は生物にとって、
遺伝子を破壊される破壊光線です。オゾン層がバリアとなって、その紫外線から
生物を守っているんですね。
そのバリアのおかげで、生命は海から陸上に上がって地を駆け、空を舞うことが
可能になったのです。地球がビオトープだとすると、植物なしでは生態系は循環
せず、動物は住めないのです。

戦略的互恵関係

動物は、その植物をエサとして取り入れ、体内で分解し、最終的に酸素と反応
させることでエネルギー源にしています。
植物にとっては、動物なんて寄生生物にすぎないわけですから、毒を使って滅ぼ
してもよかったはずです。ところが、植物の多くは動物を受け入れました。

葉や茎、根を食べられる一方ではなく、虫に蜜をやることで花粉を運ばせ、爬虫
類や鳥類、哺乳類に果実を食べさせることで種を遠くに運んでもらうことにしました。
ギブアンドテイクの共生です。どちらか一方が生き残る戦いではなく、お互いに
メリットがある関係を築いたのです。いわゆる、戦略的互恵関係ですね。

戦いもあるが

とはいえ、植物も生物ですので、それなりに戦ってきました。
身動きできないとはいえ、けっして非戦の無抵抗主義ではないのです。
この自然界は、弱肉強食です。それが地球の鉄則です。

植物の敵はまず植物です。枝葉を広げて日光を奪い合う空中戦のほかにも、
土中の根では、制空権ならぬ、制土権が争われます。根から化学物質を出して、
周囲の植物の発芽や成長を妨害します。この化学的な攻撃を「アレロパシー」と
呼んでいます。ほとんどの植物は、このアレロパシー物質を持っていて化学戦を
行っています。

あの背高(セイタカ)が低くなった

なかでも強力なアレロパシー作用を持つ植物として、セイタカアワダチソウが
知られています。帰化植物が話題になるとき、真っ先にやり玉にあがるのが
アメリカからやって来たこのセイタカアワダチソウです。

【セイタカアワダチソウ】「季節の花 300」

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繁殖力が強く、その名のとおり2~3メートルもの高さになり、日本の在来種を
駆逐して河原などに一面に生えていました。ところが、日本を占領しようという
勢いだったヤンキー植物に、変化が現れているのです。在来種を席巻して密集
すると、どうやらその毒が自家中毒となったようなのです。

また、初めはセイタカアワダチソウの化学兵器の性質を知らなかったススキやオギ
などの在来種も、病原体と免疫細胞との攻防のように、防御策が開発されたので
しょう。背高のはずが、いまでは身の丈を知ったらしく、50センチ程度で身を屈
めているようです。
「神の見えざる手」というのは経済用語ですが、どうやら植物界にも自然のバラン
サーがあるみたいです。

植物を見たら毒だと思え

自分を食べる虫やその他の動物には、トゲや擬態で防御するほか、やはり毒を使う
のがポピュラーです。植物に毒があるのは珍しくありません。
毒といえば、トリカブトが有名です。「トリカブト事件」の名で世間を騒がせた保険金
殺人の犯人は、このトリカブトを使って殺害しています。

【トリカブト】(出典:厚生労働省)

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「馬酔木(あせび)」の名は文字通り、馬が葉を食べれば毒に当たって、酔ったよ
うにふらつくことになるところからついたようです。葉を煎じて殺虫剤に利用されて
います。

ハーブの香りも昆虫を寄せ付けないためにあります。ヨーロッパでは窓辺にゼラ
ニウムの鉢が飾られていますが、あれも虫除けのためです。ゼラニウム版虫コナ
ーズですね。
それよりも、その名もズバリ除虫菊(シロバナムシヨケギク)があります。いわずと
しれた蚊取り線香の原料です。日本の夏、金鳥の夏、です。このKINCHOの
正式社名は大日本除虫菊株式会社で、それを初めて知ったとき笑った覚えが
あります。まあ、いまでも笑えますが。

ほかには、イラクサ、ウルシ、キョウチクトウ、シキミ、ジギタリス、ヒガンバナ、
ベラドンナ、マチン(ストリキニーネ)…など、無数にあります。
ふだん食用としている植物のなかにも、イチョウ=ギンナン(ギンコトキシン)や
青梅(シアン化水素)、ジャガイモの芽(ソラニン)、ワラビ(プタキロサイド)
のように、処理法によって無害化し食料とされる種もあります。

蓼(タデ)食う虫も好き好き

ところが、植物がせっかく作った毒なのに、虫や動物のなかには、その毒をもの
ともしないものもあります。毒をものともしないどころか、その毒を体内に蓄積
させて、ちゃっかり天敵からの防御に使っているしたたかな虫もあります。

マダラチョウ科のチョウは、幼虫時代に食べる植物は異なっていても、みな体内
に毒を持っています。ジャコウアゲハの幼虫は、ウマノスズクサの毒もおかまい
なく、その葉をムシャムシャと食べて丸々と太ります。

ヘクソカズラ――もう名前だけで近づきたくない感じですが、たしかにこれは
植物版のスカンクというべきもので、悪臭で身を守っています。ところが、この
汁を好んで吸うヘクソカズラヒゲナガアブラムシという虫がいます。アブラムシ
の天敵はテントウムシですが、テントウムシもこの臭いアブラムシには食いつき
ません。

ご存じのように、コアラはだれも食べないユーカリの葉だけを食べます。ユーカリ
にも毒がありますが、コアラはこの毒を分解できるからです。そのために腸まで
長くしました。ほかにだれも食べない植物をエサにするというのは、それを独占
できるわけですから、合理的な戦略ではあります。

植物の毒が好きな人間

しかし、人間というのは悪食で、いろんな毒を好みます。
フキノトウやタラの芽の苦味はもちろん、ワサビやトウガラシの辛味も好んで
食べます。トウガラシのカプサイシンも、もちろん香辛料にしてもらうためでは
なく、食べられないための防衛です。

コーヒーを飲むとオシッコがしたくなりますが、あれはカフェインの毒をはやく
排泄しようという生理学的な反応なのだとか。
お茶や渋柿の元となるタンニンは、昆虫の消化酵素に働いて消化不良を起こして
撃退しようという戦略ですが、人間には食物のタンパク質と結合して下痢を止め
る作用を持ちます。下痢止めの薬草として知られるゲンノショウコの薬効成分の
1つがこのタンニンです。

人間にとっては無毒でも他の動物には毒になるケースもあります。料理に欠かせ
ないネギやタマネギは、その消化酵素を持たないイヌやネコにとっては毒となり、
大事にいたることもあります。チョコレートやココアなどは、私たちには食指を
動かすいい香りですが、カカオの成分であるテオブロミンが、イヌやネコの中枢
神経を刺激して害をおよぼします。

他の虫や動物は、生き残りのための戦略で、なんとか工夫して毒に対応していっ
たのに対し、人間は嗜好で、食べなくてもかまわない毒をあえて好んで食べるの
ですから、植物はどう思っているでしょう。

弱毒化

しかし、人間の嗜好の対象になった植物は、それによって重宝され、広く栽培さ
れたりするのですから、植物にとっても都合がよく、これは共生関係です。これ
は人間のタフさというよりは、植物が毒性を緩めているからです。

たしかに、もし食べたら100パーセント死ぬ毒なら、誰も近付かなくなります。
それでひとりで悠々と繁殖できるのならいいでしょうが、虫に花粉を運んでも
らったり、鳥や動物を使って種を運んでもらったりして合理化の道を選んだ他の
植物のなかで競合していくには、「甘い水」を用意してやるほうが都合がいいで
しょう。それが果実です。

とはいえ、もし葉や実がおいしくてたまらないのだったら、全部食べられて子孫
が遺せなくなる可能性があります。だとしたら、大量に食べたら危ないよ、とい
う程度に毒性を抑えたほうがベターです。その結果としての弱毒の苦味や辛味、
渋味や酸味に人間がうまく対応したのです。

弱毒化は、植物の共生の戦略です。ふつう、自然界では苦味は毒の危険信号であり、
甘味は食べてOKの青信号です。なお、子供がピーマンを嫌がるのは苦いからで、
本能的に備わっている味覚なので、無理に食べさせる必要はありません。

幅広い植物の効能

食料やコショウなどの香辛料、燃料、道具や建築資材、紙の原料にするほかにも、
植物は様々に役立ってきました。

染料――紅花、藍、クチナシ、タンニン
繊維――綿、麻、ジュート
油脂――ヤシ、オリーブ、ゴマ

また、お酒を忘れてはいけません。大麦によるビール、ブドウによるワイン、米
による日本酒などの酒類や、コーヒーやお茶がなければ、この世はなんと味気
ないでしょう。人はパン(小麦)のみに生きるにあらず――、酒(大麦、ブドウ)や
タバコ、砂糖にも溺れてきたのが人間です。

薬草というように、植物は薬物にもなります。漢方薬はもちろん、植物からは様々
な薬剤が作られています。マラリアの特効薬キニーネはキナの樹皮、強心剤で
有名なカンフルはクスノキの樟脳、モルヒネはケシの実、気管支拡張剤のエフェ
ドリンはマオウが原料です。

古来より重宝されてきた大麻

大麻ひとつとっても繊維や薬物、道具の材料として、日本人は昔からこれを大い
に利用してきました。どこにでも生えるし、成長も早い(半年で3m)ので、なかなか
使い勝手のいい植物だったのです。

神主がお祓いをするときの大幣(おおぬさ)も、本来大麻と書くように、棒の先に
麻苧(麻糸)をつけたものです。

Google画像検索【大麻】

麻苧をつけた大麻(大幣) 出典:ウィキペディア【大麻 (神道)】

日本ではタバコのように喫煙する習慣もなく、ありふれた農作物にすぎない存在
でした。それが不当にも規制されたのは、戦後、GHQの指令によって大麻取締法
が制定されてからです。アメリカではマリファナを喫煙する習慣があったんですね。
以降、日本では農作物として生活に密着していた大麻が、大麻といえばすぐ麻薬
が連想されるように、大麻取締法によって一気におとしめられてしまいました。

※「大麻」にはいろんな別名があります。「マリファナ(スペイン語)」、
「カナビス(英語)」、「ガンジャ(ヒンズー語)」など。また衣類・燃料・
建材として使う品種を「ヘンプ」と呼んでいます。要するに「麻」ですね。

しかし、マリファナに含まれる化学物質、カンナビノイドから、制吐剤や鎮痛剤が
製造され、医療大麻として世界的に活用され、再評価されつつあります。
が、日本ではまだ大麻取締法によって、医療目的でさえ使用どころか輸入も所持も
禁止されています。

大麻は麻薬ではない

麻薬といえばまずこの大麻がやり玉にあげられてしまいますが、問題の人体への
副作用は、他の医薬品の副作用の範囲内であり、アルコールやタバコよりはるか
に害が少ないことがアカデミックな欧米の医療機関で確認されています。

誤解を受けるのは、やはりこの「麻」の字でしょうか。麻の字はあっても、大麻には
いわゆる「“麻”薬成分」は含まれていないのです。まあ、ハーブの一種と思えば
いいでしょう。自然由来の鎮痛剤として有効度が高く、副作用もほとんどないので、
いまでは麻薬の制約を解いてもかまわないというのが世界的な潮流です。

だいたいアメリカで1937年に初めて規制されたのも、大麻課税法という法律で、
大麻原料の繊維製品に課税するというものです。つまり、麻薬を規制する法律で
はなく、合成繊維普及のための産業振興政策によるものだったのです。

植物で大儲け

常習性のある危険な麻薬は、ヘロインやコカインです。ヘロインはケシ(アヘン)
から、コカインはコカノキが原料で、覚せい剤の原料にもなる大もとのエフェドリンは、
麻黄(マオウから抽出されます。
なお、違法な麻薬に関しては、いま国際麻薬マフィアが動かしているのは、覚醒剤、
ヘロイン、コカイン、大麻の合計で、年間およそ250兆円もの金額になるそうです。

このように人間に利用される植物は、裏を返せば、人間を使って繁栄していると
いってもいいのです。毒性のある麻薬はともかく、共存共栄です。
オランダはチューリップの栽培で、イギリスは香辛料の貿易で莫大な富を得ました。
まさに植物によって大儲け(成功)したわけです。

日本の繁栄は豊かな森林を有しているから

地政学的には辺境の島国日本が、欧米に伍して繁栄しているのは、国土の7割が
森林であることと無縁ではないと考えます。核の傘という言葉がありますが、1万数千
年前の縄文のはるか昔から、日本は7割が山岳の緑の傘に護られているのです。
さらに平野も、かつては一面の緑だったでしょう。

100万人もの人口を抱えた江戸は、あの時代、世界で最も栄えた街でした。
下町の庶民のドブ板長屋を想像すれば、埃っぽい殺風景な家並みだけだと思いがち
ですが、山の手の武家屋敷を囲む林や寺社が所有する森も広大で、江戸市域全体の
緑被地率は42.9%と、世界でもまれなグリーンシティだったようです。
繁栄の源泉はやはり緑なのです。あの頃は、隅田川も清く、きれいな遠浅の海が続い
ていました。

山の豊かなミネラルが清流によって運ばれ、平野を肥やし、海もまたそれによって豊か
になります。そのような物質的な貢献だけではなく、山の気(波動)が下界を潤すのです。
森林を伐採すると国力は失われます。それはたんにエネルギー源や材木が枯渇する
からというだけではなく、森林の目に見えない、私たちを応援してくれる生命エネルギー
が枯渇するからです。

植物は、基本的に動物と共生しようと考え、共栄の波動を送ってくれています。
そう考えると楽しいです。もしこちらが好意的な意識を送れば、波動は共振して強力に
なります。

森林を伐採し尽くした中韓

同じアジアでも、中国は経済的に発展するにしたがって、森を収奪し、各地で山を
丸裸にしてきました。いま、経済破綻をきたしつつあるのも、まさにそのツケが回って
きたのだと思います。それもまたたんに砂漠化するとか、土砂崩れを起こすといった
物理的な問題だけではなく、やはり植物の守り神がいなくなるからだと思うのです。

李朝時代の韓半島もそうでした。日韓併合のとき、あらゆる山が丸裸でした。
社会は貧しく、貨幣もほとんどなく、物々交換という前近代的な有様でした。政府は
まず、全国の山に植林しました。それはインフラ整備や学校を作ることより大事だった
かもしれません。朝鮮戦争の悲劇はありましたが、その後の復興は、緑化の成果では
なかったでしょうか。

植物の共生波動を肌で知っている日本人

日本人は不思議な民族です。校倉造りの正倉院の宝物が、千数百年を経ても盗掘に
も火災にもあわず、そのまま遺されています。箸墓古墳や仁徳陵などの巨大古墳も、
おそらくそのまま遺されているのではないかと考えられています。

古くから鎮守の杜には手が加えられません。
縄文時代から食用のクリの木などは保護されてきましたが、時代を経るにしたがい、
木材需要が増加して、飛鳥時代の676年には、天武天皇の命で、すでに畿内におけ
る森林伐採禁止令が出ています(伐採禁止令の最古の記録)。たとえ材木や薪とし
て伐採したとしても、寺院や神殿造営に巨木を使う日本人は、樹木への畏敬は自然
に備わっています。
いや、むしろ、樹木を畏敬するからこそ、石ではなく、木の文化を構築したとも思われ
ます。

釈迦が解脱するさい、菩提樹の下で瞑想したといいますが、あれはたんに日除け
や雨除けではなく、その木の波動を守り神にしたのではないかと思います。
植物はけなげなものなのです。

 ※釈迦がその下で悟りを開いたというのは、クワ科のインドボダイジュ。
シナノキ科のボダイジュとは別種。

インドボダイジュの葉は先端がこんなに尖っています
【インド菩提樹】「季節の花 300」

植物というのは、草木一本が単独の個体として孤立しているのではなく、種族が
みな同調しています。たとえばプラタナスなど、森の一本の木が虫に食われると、
フェノールやタンニンなどを作って防衛態勢がとられます。それをきっかけにして、
まだ無害の木々が、まるで仲間の警戒音を聞いた動物のように、次々にフェノール
やタンニンを作り、やがて森全体に広がっていきます。

これは、虫に食われた木が、特殊な揮発物質を出すことで、他の木々がそれを
警戒信号として感知するからです。
だから、反対に木を一本味方にすれば、森全体を味方にすることにもつながる
ということです。

植物はまず「与える」戦略をとった

8月に出版された、稲垣栄洋氏著『たたかう植物』(ちくま新書)のあとがきは、
なかなか示唆に富んでいました。
長くなりますが、転載させていただきます。

自然界は「弱肉強食」、「適者生存」の世界である。
もちろん、ルールも道徳心もない。すべての生物が利己的に振る舞い、傷つけ
あい、だまし合い、殺し合いながら、果てしなき戦いを繰り広げているのである。
まさに殺るか殺られる、仁義なき戦いがそこにはあるのだ。
しかし、その殺伐とした自然界がたどりついた境地はなんだっただろうか。
植物は菌類との戦いの末に、菌類の侵入を防ぐのではなく、共に棲む道を選択
した。
そして、昆虫との戦いの結果、花粉が食べられることを防ぐのではなく、花粉を
狙ってきた昆虫に花粉を運ばせるという相利共生のパートナーシップを築いた
のである。
さらに動物との戦いの末に、子房の食害を防ぐのではなく、胚珠を守っていた
子房を利用する方法を発達させた。そして、子房を肥大させて果実を作り、
動物や鳥にエサとして与える代わりに種子を運ばせるようになったのである。

植物は強大な敵と戦うだけでなく、敵の力を利用することを試みた。そして、
戦いの末に、植物は敵である生物と双方に利益のある共存関係にたどりついた
のである。
殺伐とした自然界で、同盟を結ぶために植物がしたことは何だったのだろうか。
菌類との共存関係を築くために、まずは自らの体内に菌類を招き入れた。昆虫
との共存関係を築くために、花粉が食べられることを許し、さらには昆虫のエサと
なる蜜を用意した。そして鳥や動物に種子を運んでもらうために、果物という魅力
的な贈り物を先に施したのである。
他の生物と共存関係を築くために植物がしたこと、それは、自分の利益より相手
の利益を優先し、「まず与える」ことだったのである。
「与えよ、さらば与えられん。」植物はこの言葉を説いたイエスが地上に現れる
はるか以前にこの境地に達していたのである。

相手のためを思う植物波動をさらに増幅する

植物は、まず自分を襲う相手に対し、その益になることをしてやろうと考えました。
遠回りでも、それが防衛戦略です。
その甘露から蜜や砂糖を取り出すのではなく、波動として頂戴するのです。
利他イコール利己、相手にまず与えることが自分の利益になる。
そう考えれば簡単です。

それは植物の単純な戦略です。
利他というのは動物にはなかなか難しい話です。植物のように食べられてもまた
生えてくる葉や茎のように、提供できる体はありません。
アンパンマンのように体の一部をすげ替えるわけにはいきませんから。

しかし、植物は本能として、その戦略が遺伝子レベルまで身に染み付いている
わけです。何のためらいもない。
「与えよ、さらば与えられん」。なるほど、なるほど。
その植物の波動を、有効利用させていただこうという寸法です。

自分に水をやり、肥料を与えてくれる相手(あなた)に対し、とくに実をつけない
植物は、あしたも水を与えてもらうために、よりよい生活をしてくれよ、という波動を、
戦略的互恵として周囲に放ちます。

それは、「気」の入っていない、大量生産の御札より霊験あらたかでしょう。
それを私たちの潜在意識に取り入れ、アカシャエネルギーで増幅するのです。
それが「植物波動成功法」です。
ただし、植物波動は微弱です。
それを増幅するために、波動装置があるのです。

成功のために利用するべき生薬波動

漢方薬は生薬といいます。その生薬というものは、植物から抽出された薬効成分が
化学的に作用するだけではなく、その薬効成分を手がかりに植物の波動とチュー
ニングすることで、私たちの歪んだ生理が調整されるという効果があるのだと考え
ます。
もちろん、これは現代科学の考えではありませんし、証明もされていません。
あくまで波動論としての考えですので、あしからず。

天下をとった徳川家康が、漢方薬に通じていた話は有名です。家康が出てくる
時代劇では、必ず薬研でゴロゴロと薬草を潰している姿が描かれます。
天下をとるには健康で長命でなければいけないという考えのもとに、みずから
薬草を調合していたのです。
たしかにそれで生理的な健康効果はあったのでしょうが、それと同時に、植物と
語らうことで、その波動を味方にしていたのかもしれません。少なくとも植物
には敬意を払い、雑に扱うことはなかったのです。
山川草木悉皆成仏ならぬ、草木生薬悉皆援軍です。

家康に恐れられた秀吉の軍師黒田官兵衛の黒田家も、昨年のNHK大河ドラマでは、
黒田家を興した祖父の重隆が薬草に通じ、目薬売りで身を起こして成功したとして
描かれて、メグスリノキまで登場しています。
このエピソードから、やはり植物を味方にすれば成功するという例にしたかった
のですが、残念ながら黒田家が目薬を売って財をなしたというのは、史実的には
確認されていません。

中秋の名月にはススキを供え、神棚には榊を祀り、正月には門松を飾り、酒蔵は
杉玉を吊るします。榊は神が宿る依代(よりしろ)という考えです。
植物に神が宿るというのはアニミズムの一種だとしても、やはり日本人には伝統
的に植物への畏敬があります。

そこにはやはり、古来から体験してきた植物波動の効験の裏打ちがあったのだと
思います。
その伝統の精神は、私たちの深部の潜在意識に受け継がれています。

潜在意識を活性化(バイブレート)させるためにも、植物波動を利用しない手は
ないのです。
〈了〉

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